第15話：冬の乾燥肌対策—即効編

空気が乾燥する季節は肌もドライになります。みなさんいかがですか？ 私は毎冬カラッカラで、夕方から夜にかけて痛いくらいの日も！ おそらく自分でうるおいをつくり出す力も、うるおいの材料になる栄養を消化吸収する力も弱いのだと思います。つまりは体質？ とはいえ日本の湿度は年々下がっていて、どんなに健康な肌でもしっかり乾燥対策しないと！ そこで、すぐに肌の乾きを解消する方法をご紹介いたします。「捨てる美容」ならではの、ごくごくシンプルな方法です。

乾燥とはすなわち、水分が足りない状態。だから水分をスプレーすればよいのです。ただし単なる水だと、蒸発するときさらに水分を奪ってしまいます。なので、水分を肌にとどめておける保湿成分入りのものを。メイクの上から使ってもヨレないのがいいですよね。

おすすめは敏感肌用の保湿スプレー。例えばフリープラス エアシャワーミストa。50g入りのミニボトルは¥850（税抜き）です。チンピ（みかん）やタイソウ（なつめ）など、日本人の肌に昔から親しまれてきた和漢植物エキスが肌の調子を整えて、ナイアシンがバリア機能強化、グリチルリチン酸が炎症を鎮めたりもします。敏感肌用ならユリア—ジュ ウォーターもいいです。ユリアージュ温泉水100％なのでフリープラスよりさらっとしていますが、体液と同じ浸透圧なので肌にすうっとなじみ、温泉のミネラルが肌を健康な状態に戻します。フリープラスもユリアージュも、ドラッグストアなど比較的手に入れやすいです。

もちろん手持ちの化粧水を、100円ショップなどのスプレーボトルに入れ替えても。その場合メイクの上からスプレーしてもファンデーションがヨレない距離を見つけてくださいね。

朝のスキンケアにもうひと手間加えられるなら、油分を補うステップを加えてみてください。きっと全然違ってくると思います。なんといってもおすすめは、ピヴォーヌのオンラインショップでも扱っているアルガンドールのアルガンオイル！ アルガンオイルはほんとうに人間の皮脂に近くて、肌が喜ぶのが分かります。乾燥だけでなく、肌のつやや輝きも違ってきますよ。化粧水の後に美容液代わりに使ってもよいし、スキンケアの最後に一滴、肌にのばしても。どの順番で使うとご自分のファンデーションがきれいに乗るか、試してみてください。

アルガンオイルでも乾く、という場合には、細胞間脂質を補う必要があるかもしれません。これは角層内部で角質細胞同士をくっつける接着剤のような役目をしている油分で、セラミドが有名。皮脂とは違い、新陳代謝によって肌の内側で生み出されます。これが不足すると肌の表面がめくれ上がったようになり、その隙間から水分がどんどん蒸発することに。細胞間脂質と同じ働きをするものとしてNMF（天然保湿因子）があります。代表的なのはアミノ酸ですが、私がもろもろ試した結果、乾燥にはセラミドがより効果的と思われます。荒れていた肌がぴしっと整って、ぴんとしたハリすら出てくるので。

チューンメーカーズのセラミドを手持ちの化粧品に数滴足してもいいし、セラミド入りのエトヴォス セラミディアル エイジングラインのバイタライジングローションとバイタライジングクリームといったスキンケアに代えてしまってもよいです。（ただしセラミディアル バイタライジングクリームはつけ過ぎるとファンデーションがヨレますのでご注意を）いずれもしっかり長時間肌をうるおし続けてくれますよ。

もうひとつ、私のとっておきをお教えしますと、手持ちの化粧水とオイルをスプレーボトルに入れておき、使うたび振ってスプレーするというもの。乾燥対策最強スプレー、と呼んでおります。忙しいときはこのスプレーだけしてスキンケア終了、なんてこともしちゃえます。ただし酸化しないうちに使い切れるよう、あまり大量に作り置きしないほうがよいです。

さて、近年注目のワセリンも、乾燥対策として優秀です。ただ、ご紹介した化粧水やオイルと違い、ワセリンは肌に浸透しません。まるでラップのように肌を覆って、外界の刺激から肌を保護。同時に肌内部の水分が蒸発しないよう、シールドのようにぴったりと守るのです。手のひらで温めてから肌にうす〜く伸ばしてファンデーションを塗ったり、リップバームとして唇につけたりしても。昔は精製度が低くてかぶれたりすることもありましたが、最近では精製の技術が格段に進歩して、そういったことは聞かなくなりました。見た目が黄色いものよりも、白いもののほうが精製度が高いそう。薬局で売られている白色ワセリン、のことですよね。セラミドを塗って最後にワセリンで仕上げれば、痛いくらいの乾燥もかなりきっちり解消できると思います。

何万円もする保湿クリームを買わなくても、これらの方法で充分な乾燥対策ができると思います。高額コスメにかけるお金を〝捨て〟て、つまり節約して、さてさて何をいたしましょう？