第14話:糖質を捨てて美肌&ダイエット
近ごろ糖質制限という言葉を耳にします。缶入りの焼酎やビールに多いでしょうか。かくいう私も、分子整合栄養学の詳細な血液検査をした結果、糖質制限したほうがよいとのお達しが。低血糖症なので、今の食生活だといつか糖尿病になるということです。祖母が糖尿病だったので気にしていましたが、やはり。
そこでさっそく取りかかったところ、するりと4キロ痩せ!肌もなんだかとってもキレイ!! さらに気持ちも安定してきて、PMSや更年期もラクになってきたのです。望んでいた健康と美肌をあっさり手に入れ、こんなにシンプルなことだったのかと拍子抜けしてしまいました。みなさまに是非、その一部始終をお知らせしたいと思います。
糖質制限を勧められた松倉クリニック(表参道)でもらったパンフレットをもとに、まずは砂糖と小麦粉を一切食べないことにしました。でもこれがけっこうつらい。もともとスコーンや焼きたてパンなど小麦モノが大好きで、毎日欠かさず食べていましたから。甘いもの、特に麩まんじゅうなど大好きですが、こちらも砂糖を使っているのでNGです。日々の楽しみがひとつ奪われ、ちょっと、いやかなり寂しかったです。とはいえ3日もすると何だか胃が軽い。ついでに身体も軽くなって、いつもより元気な時間が長くなっていたのです。
「これはいいかも!」と、糖質制限の本など買って、かなり本格的に取り組んでみました。例えば野菜のなかでもにんじんやかぼちゃは糖質が多い。毎朝食べてたバナナも多い。米のごはんは小麦粉ほどではありませんが、やはり糖質多めです。このあたりも徹底的に排除してみました。すると2週間もしないうちに、体重が3キロ、4キロとどんどん痩せていくではありませんか! 朝は以前から続けているナチュラルハイジーン的 生のフルーツと生のナッツ。昼はまずサラダかグリーンスムージー、次にごはんのかわりに豆腐にカレーをかけて。夜は野菜たっぷりスープに、友人が大豆粉ミックスで焼いてくれた糖質制限パン(ないときはローソンの糖質制限パン)に、ツナ入り卵焼きと肉をつかった料理を一品。みるみる痩せていくのが面白くて、ストイックに実行していたのですが、ある時あまりに痩せていくのがふと怖くなりました。しかも何だかスタミナが足りない。特に朝、食後1時間半くらいでお腹が空き、エネルギーが切れてしまうのです。思考ももうろうとして、ちょっと危険な気がしたのです。
調べてみたところ、ナッツとフルーツの朝食では血糖値が急激に上がり過ぎ、低血糖症の私の身体は血糖値を下げようと必死になるため、エネルギー切れして動けなくなることが分かりました。ヘルシーなナチュラルハイジーンの食事は、低血糖症の身体にはあまり合わなかったようです。そこで痛み治療だけでなく栄養指導もしている手技道(渋谷区青葉台)の角田先生に相談すると、ごはんを食べるよう薦められました。旅館の朝ご飯が理想なのだそうです。とはいえ朝からいきなりごはんは抵抗があり、もう少し糖質の少ないオートミールにたどり着きました。現在は前日の残り物の野菜スープや味噌汁、鍋ものに豆腐を入れたり卵とじにして、少しだけオートミールを入れて煮ます。これだとお昼までお腹が持って、ずっと元気に動けます。体重は1キロほど微増しましたが、これが私の理想体重なのだと思います。
ところで糖質制限を始めてから、肌を褒められることが増えました。「透明感が出てきた」「ファンデーションは何を使っているの?」といった肌そのものに加え、「顔色がいいですね」「前より元気そう」といった健康面での褒め言葉が。なかには「すごいオーラ!」なんて言ってくれる方もいて、オーラって何だかよく分からないけど、ウレシイ。糖質制限で肌がキレイになることは、近ごろ噂の糖化(タンパク質や脂肪が糖分とくっついて、肌が黄色くくすむ、老化する現象)が起きにくくなることからある程度は予想していましたが、それ以上の反響にちょっと驚きまして。その仕組みはどうやらこういうことのようです。
タンパク質でできている血管の内部を流れる血液が高血糖になると、その糖分で血管がもろくなったり壊れたりします。するとその先の血流が悪くなり、栄養を届けたり老廃物を回収する働きが失われます。その結果、肌のキレイさは簡単に失われてしまいます。反対に、糖質制限で高血糖になることが少なくなると、血管は修復され、栄養や酸素が末端にまで、つまりは肌細胞のすみずみにまで行き渡ることになるのです。その結果、肌はキレイになり、血行も良くなってイキイキしてきます。老廃物も回収されて、透明感も出るわけです。
最後に、糖質制限で心が安定したように感じるのはなぜなんでしょう。これは血糖値がぐ〜んと上がると、それを下げようと膵臓から多量のインシュリンが分泌され、急激に血糖値が下がる(この瞬間、青少年はキレるとされています)ことと関係しているようです。つまり血糖値の乱高下で振り回されていた心が、血糖値をほぼ一定に保つゆえに安定するのではないかと。特に低血糖症の私は、血糖コントロールがうまくいかず、一度血糖が上がると、あまりにも激しく血糖値を下げてしまうよう。こうなると下がりすぎた血糖をなんとかしようと、今度はコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが分泌されるのだとか。その結果精神的に不安定になり、身体も混乱してホルモン分泌が乱れてしまうようです。長年悩まされてきたPMSやうつ状態は、低血糖症が根本原因だったかもと思うこの頃です。あ、低血糖症でなくても、血糖値はなるべく一定に保つほうが絶対よいです。炭水化物を食べるとしても、野菜→タンパク質→炭水化物の順に食べるとか、砂糖や小麦粉はなるべく避けるとか。
痩せるし肌はキレイになるし気分もスッキリ。ご自分の体質や生活スタイルにあった糖質制限を、さっそく始めてみてはいかがでしょうか?