第3話:意外と、ぜんぜん、大丈夫!
ベースメイクだけで下地やコンシーラーなど10種類ほどのアイテムを使うような複雑怪奇な美容生活がある日突然、イヤになった私。とにかくもう面倒くさかったんです。
そこで、徹底的にシンプルな美容を始めました。ここまでしたら手抜きかな、今までほどはキレイでいられないかもな、な〜んて不安を抱えながらも、メイクもスキンケアも省けるものは徹底的に省き、とにかく美容手順を捨てて捨てて捨てまくったのです。
しばらくは外に出るのも勇気が要りました。みなさんの反応がちょっとこわかった。・・・でも、特にべつだん変化なし。今まで通り接してくださる。「あれれ?」と拍子抜けした私は、友人知人に聞き込みを開始。「私、ヘンじゃない?」。でもみな一様に、「え、どこが?」。全くもって、私の変化に気づかぬ様子です。むしろ「前より肌がキレイになった」「前はマスカラたっぷりの目がコワくて近寄りにくかったけど、最近は平気 なんて発言まで飛び出す始末。そう、おおむね無反応、強いて言えば好評(!)だったのです。
そこで初めて、私はやり過ぎていたことを知りました。美容し過ぎていたのです。お金と時間と手間ひま掛けて、無駄なことをしていたわけです。キレイには多少なっていたかもしれませんが、逆に人を遠ざけてもいた。私はその瞬間、なんで自分が全くモテないのか、その全容を理解しました。くううっ。
ま、私がモテない問題はこの際どうでもよく、結論として美容はそんなに頑張らなくていい。むしろシンプルなほうが効果的な場合が多い、という結論に至りました。
特にスキンケアは、シンプルなお手入れの良さをすぐに実感できると思います。私は以前、オイルクレンジングをした後に、たっぷりの泡洗顔を施し、よくよくすすぐというのを丁寧にやっておりました。でも乾いて乾いて、顔が痛いぐらいだったのです。そこで何万もする美容液やクリームをつけて乾きを癒していたわけですが、洗顔をごくシンプルなものにしたら、そういう高価な化粧品は必要なくなりました。どうやら自分の肌が分泌している、ナチュラルなクリーム=皮脂がいい働きをしているようです。自前クリームに代わるコスメなし、なんですね。・・・