第26話:「油分で覆う」は間違い!“オトナ胎脂”で覆いましょう。
ところで最近、オイル美容に魅了されるひとが増えてきました。オイルをつけると肌がほぐれてしっとりし、ツヤが出ます。その上からメイクすると、化粧膜が肌になじんで透明感が溢れてきます。オイルの製造の仕方にもよりますが、ほとんどの美容オイルは栄養たっぷり。だから「美容液オイル」、などと呼ぶひともいるんですね。
穂のしずくのピヴォーヌインターナショナルで扱っているアルガンオイルは、オイルのなかでも最高のもの。皮脂にごく近い組成なので、まるで自分自身の肌が分泌したように、ごく自然に肌と一体化します。私をオイル主体のスキンケアに導いてくれたのも、実はこのアルガンオイルなんです。しかも肌だけでなく、髪にもネイルにもハンドクリームとしても使えます。まさに‘捨てる美容’の申し子アイテムです。
ところで時々、「油分でフタをする」という言葉を耳にします。私も以前使っていたフレーズですが、本当にそうなのでしょうか? 油分はそのまま肌の上に残るとどんどん酸化して、老化やアブラ焼けのダメージを与えます。一方オトナ胎脂は、油分を常在菌によって分解して、肌にとって理想的なカタチに変化させていますから、皮膚の保護膜となって美しさや健康を守ることができます。だから肌は油分でべったりフタをするのではなく、油分をお父さん、常在菌をお母さんとして育まれたオトナ胎脂で覆うべき!
ではそのためにどうすればいいのでしょうか? それはオイルをつけ過ぎないこと。油膜が張るようなたくさんの量ではなく、常在菌が分解できる程度のごく少量を、自前のオトナ胎脂につけ足すイメージでほんのちょっぴり塗るのです。
さて、これまでお話ししてきた通り、W洗顔でオトナ胎脂を洗い過ぎず、ケミカルな成分でオトナ胎脂を溶かし壊したりもせず、適度な量のオイルをつぎ足していくと・・・。なんと、肌はだんだんと乳液やクリームが要らなくなるんです。自力で潤いをキープできる健康な状態になるので、そのうち乳液やクリームを‘捨て’られちゃうのです。こうなるともはや肌は、放っておいてもキレイ。肌の表面がオトナ胎脂で覆われることにより安定すると、その情報が肌の奥深くで肌細胞を生み出している部分に伝わり、健康でまるまるとした元気な細胞をつくり出します。このまるまる元気細胞で皮膚全体が満たされる頃には、ぷるっぷるのもっちもち肌の出来上がりとなります。
今まであれこれ必死で美容していたのがウソのように、手を抜いくことでキレイになる肌本来のパワーを引き出すのが“捨てる美容”なのです。