第2回「深呼吸・スロージョギング・きくち体操(運動)」
つらい生理前や更年期を乗り切るために、必要なのは“変化に負けない身体”です。生理前も更年期も、結局のところホルモンが変化するときなんですね。この変化に負けない体力があれば、しんどさを感じずに過ごせるはず。じっさい、あなたの周りにいる「生理前も更年期もな~んともない」とか言うひとって、毎日ふつうに生活できる体力がありませんか? 反対に、PMSや更年期障害に悩むひとは、例えば気圧が変化しただけで寝込んでしまったりする。そう、変化に弱いのです。
そこで、必要なのは“変化に負けない身体づくり”。それにはいろんな方法があると思いますが、私の経験からしてまず試していただきたいのが運動です。私の人生でPMSが消えたのは、ちゃんと運動していた時期。週に3回ジムに行って、筋トレとエアロビしていた20代後半は最強に元気でした。気分も良かったし、生理前後もふつうに動けていました。
だから、もしあなたがまだ若くてPMSも深刻でないなら、お薬など飲む前にまずはしっかり運動してみてください。できれば汗をしっかりかく運動と、筋肉を鍛える運動の両方を。もちろん運動前後のストレッチも忘れずに。そうやって体力がついてくれば、生理前のうつっぽさもだいぶ和らぐはず。そして、大切なのは運動を‘やめない’こと! 私みたいに忙しさを理由に運動しなくなると、一気に不調になっちゃいます。元気な人はみんなきちんと運動しています。忙しくても、できる範囲の運動をコツコツ続けてくださいませ。
問題は、PMSが悪化して寝たきりに近い状態(PMDD)だったり、運動習慣がないまま更年期を迎えてしまった場合。いきなりエアロビなどの激しい運動をするのは無理ですよね。だから少しづつ、やれることをやりましょう。もし今あなたが寝込んでいる状態なら、寝ながらできる深呼吸を試してみて。息をゆ~っくり吐いて、ゆ~っくり吸う。これだけで新鮮な酸素が身体のなかを駆け巡り、リフレッシュできます。心肺機能も維持できますしね。もう少し元気なときは、お家のなかでのスロージョギングもいいです。歩くより遅いくらいのスピードで、足音もしないくらいのイメージで、ゆっくりゆっくり走ります。30分くらいできるといいんですが、体調悪い時は無理をせず10分くらいでも。短時間でも血流がよくなってスッキリします。
体力がない人にはもうひとつ、「きくち体操」もおすすめです。ストレッチと筋トレと脳トレが混ざったような運動ですが、動かしている部分を意識することで身体と脳の回路をつなぐ効果があるんです。例えば足の指でグー、チョキ、パーする体操の場合、使っている足の指をしっかり見ながら動かすことで、身体と脳をつなぐ神経の回路を蘇らせることができるんです。ちなみに私は左足の小指がまったく動きませんでしたが、しばらく続けるうちに動くようになってきました。じっくりゆっくりやる体操なので運動が苦手でもできますし、筋肉もじわじわついてきて、身体も柔軟になります。何よりPMSや更年期のうつっぽい気分が消えるのがうれしいです。
ほかにもウォーキングやダンスなどもいいですよね。いずれにしても無理はせず、楽しみながらやれることを続けて、“変化に負けない身体”を目指しましょう。コツコツ続けるうちに、いつかアスリートのような身体と日々健やかな心が手に入っちゃうかもしれません。